「良寛の書は、更にその人柄と行迹(ぎょうせき)によつて浄化されている。なんの気取りもない、また庶民的な気安さ、人間的な温かさが、その叡智を包んで、おのずから流露するところの芸術であつて、一見稚拙に似て、その奥に無類のうまみを持ち、高い格調を持つ書は他に見られないものである。」
安田靫彦