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この展覧会は、小壷の透かし彫りを軸に、イスラーム陶器をはじめとする当時の作品群、そしてイスラーム文様の源流のひとつであるコプト織りを通して、イスラームの美の世界を紹介していくものです。 7世紀から14世紀まで栄えたエジプトの古都フスタート、そこから出土する飲料水用の小壷についた透かし彫りは、驚くべき魅力に富んでいます。水を冷やして飲むための素焼きの壷の首に、これほど凝った幾何学文や動物文をあしらったフスタートの人々、そこには彼らの何気ない日常に織り込まれた、洗練された美意識が伺われます。 イスラーム時代の文化は、古代中近東、古代地中海世界、キリスト教世界が生んだ文化伝統を引き継ぎ、洗練し、その上からイスラームという統一原理で覆ったものだと言われます。その複雑な伝統の中で、小壷の透かし彫りは「イスラーム文様のカタログ」に例えられ、陶器、織物、籠細工、建造物の文様などイスラームの美意識を探求する上で、格好の基準を提供します。イスラーム世界の、思いがけないデザインの妙を、お楽しみ下さい。 |
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白地刻線幾何文鉢 イラク 10〜11世紀 |
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