北館の5周年記念展示は、これまで開催したグランドオープン展、1周年記念展、春の玉手箱展の中から優品を選んで日本美術を、また中国六朝・唐時代の美術や朝鮮美術も含めて構成します。
展示室は、中国六朝時代の仏教美術に始まり、唐時代の俑や銀器を経て、日本の宗教美術へと巡ります。紫紙金字金光明経(奈良時代)、焔摩天像(平安時代)、地蔵菩薩立像(鎌倉時代)(いずれも重要文化財)といった経巻、仏画、仏像などの仏教美術、そして、胡録【やなぐい】(重要文化財)や檜扇などの御神宝といった神道美術を、常滑や信楽などの古陶磁とあわせて展観します。次に、桂本万葉集や寸松庵色紙などのかな、虎関師錬などの墨蹟といった平安から鎌倉時代にかけての書、また鳥獣人物戯画や地獄草紙といったやまと絵、海北友松の屏風や桐文陣幕屏風、美濃の陶磁などの桃山時代の作品が並びます。茶の湯のコーナーでは、前田家伝来の耀変天目茶碗(重要文化財)ほか、金森井戸、光悦赤楽、長次郎黒楽といった茶碗や、生駒肩衝茶入、古芦屋の釜などを中心に取り合わせます。そして、光琳や乾山の絵画・やきものといった琳派、円山応挙や伊藤若冲、池大雅などの桃山から江戸時代にかけての絵画、陶磁器を展示、最後に高麗青磁、粉引、李朝白磁といった朝鮮美術を鑑賞します。
初公開の作品も数点あり、所蔵作品の精華をご堪能ください。 |