中国の物語 壷中の天 雲気文鍾(うんきもんしょう)
 このお話は壷にまつわる、中国の古い物語です。昔々ある村に、お役人が住んでいました。お役人はいつものように、市場を見回っていました。やがて夕方になり、人々はあちこちで店をたたみ始めました。薬屋もそろそろ店じまいなのでしょう、中から薬売りのおじいさんが出てきました。
 お役人が見るともなく見つめていると、あれっ、おじいさんが突然消えてしまったのです。
 いいえ、消えてしまったといいうよりは、店の軒先に釣ってあった壷に、飛び込んだように見えたのでした。
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美術品 うんきもんしょう
この壷は、今から2000年も前に中国で作られました。紫や赤や白で描いてある、渦巻きのような文様は、雲気(うんき)と呼ばれ、力強いエネルギーを現しています。この壷は、いったい何を入れた壷なのでしょう?
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