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![]() ![]() お客様に召し上がって頂くものは、添加物を入れず、自然のもので作りたい。 |
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カリッ、シャリッ、パリッ、口の中で層が崩れる。沁み込んだバターと小麦粉はどちらが勝つとも負けるともなく、クロワッサンの中で融合している。外側はカリッと強い香り、中はシャリッとくずおれて、えもいわれぬうまみと甘みがのどの奥に吸い込まれていく。そうして一番内側では、ふわりと優しい小麦粉の香り。 |
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こちらのパンはソフトブール、ほのかなイチゴの香りに包まれ、やわらかい甘みを抱いた、このパンだけの優しい風味。それにフランスパン、イギリスパン、ルヴァン、あんぱん、・・・・どれもこれもいい香り、こんな素敵なパン工房、ちょっとのぞいてみませんか? |
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見るからに柔らかそうなふわふわ生地で、四角く伸ばしたバターを包んでいます。機械でそっと伸ばしているけれど、どこが伸びたかわからない。それでも3?4回繰り返すと、いつのまにか倍になります。端を揃えてきっちり三折り、さあもう一度伸ばしましょう。いとしいものをそっと扱う、指先の動き、手の形。これはクロワッサンができる途中の、バター折込み作業です。 ![]() ソフトブールの種が2倍に膨らんでいます。器から出すときニューッと伸びる生地は、出来立ての麩まんじゅうか、搗きたての餅か。大きさを揃えて切り離し、魔法のように丸めていきます。くるくるふわふわ、くるくるふわふわ、触ったらとっても気持ちよさそう。切り口をくるりと中に巻き込み、もう一度膨らませます。 |
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MIHO MUSEUM パン工房では、パンを自分の子供のように、こよなく愛する職人さんが働いています。なにしろ種から自分で育てたのですもの。もともとパン種とは、小麦粉と酵母液を混ぜたもの。この酵母液はMIHO
MUSEUMの場合、市販のイースト菌ではなく天然酵母の液、つまりぶどうやみかんやイチゴに付いた空気中の良い細菌を、砂糖水の中でどんどん増やしてできるのです。そこで酵母たちを育て上げるのが、ひとつの腕の見せ所。なにしろ見えないし喋らない。だからってご機嫌を損ねると、パンが膨らまない、酸っぱくなる、焼き上がってもペッシャンコ。失敗に失敗を繰り返し、酵母の声が聞こえるまで試していったある日のこと、突然焼きあがります、えもいわれぬ香りと味のパンが。 |
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さてこの酵母を迎え入れるのは、カナダの小麦粉。1978年以来、化学肥料と農薬を一切入れていない畑で育っています。これを粉にするのが大変でした。何しろ小麦の製粉は、大きな機械が稼動します。「こんなに少量なら、他の小麦と一緒に製粉してもいいですか?」「いいえ、それは困ります。」「それならうちではできません。」断られ続けたその矢先、たった一軒見つかりました。「うちでやってあげましょう。他の粉と混じりたくないから、製粉前に機械をきれいに掃除してほしいって?なるほど了解しました。」ここまでしてくれる製粉屋さんに出会うのに、それは長い道のりでした。 |
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そしてクロワッサンのバターは熊本産。牛の飼料には、農薬や化学肥料の掛かっていない牧草だけを与えています。混ぜ物のないバターの味は、すっきりシンプルなのですが、実は届く度に味が変化します。なぜって春と夏とでは、そりゃあ牛の体調も変わるってものじゃないですか。 |
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さいごにもうひとつ、どうやら秘密の材料があるらしいのです。それは・・・「普段の気持ちが、直接パンの味に影響するんですよ。」「そんなにはっきりわかりますか?」「ええ、作ってる時だけじゃなくて、その前にごちゃごちゃ思っていると、もうだめなんです。」「・・・へーっ。」 ![]() というわけでパンの味は、酵母さんのご機嫌や、牛の体調や、季節などでいろいろと変る、つまり生きているのです。パン職人さんたちはその全ての条件の下に、今日も最高のスペシャルブレッドを目指して、黙々とパンを作っているのです。 |
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