イランの東から中央アジアの地域は、メソポタミア神話では金銀宝石の豊かな黄金の国として語られています。その中心こそバクトリアであり古くから異文化が交錯し、優れた芸術を何千年にもわたって産み出して来たのです。アレクサンダーの東征以後、アラル海に注ぐオクサス川流域にギリシャ人の植民が多く行われ、紀元前3世紀中頃バクトリア王国が独立しました。しかし20世紀後半にその遺跡が発掘されるまで、その痕跡はコインとギリシャの古典しかなく幻の王国とまで言われたのです。今回初公開されるバクトリア遺宝は大英博物館のオクサス遺宝と大変近い由来を持つ“第二のオクサス遺宝”とも言われるものでバクトリアの神殿に奉納されたものと考えられています。東西文化が美しく織り成す古代バクトリア文化の香りと彼らの祈りを感じ取っていただければ幸いです。
馬車形装飾板
馬車形装飾板
前4世紀頃

奉納金板
前4世紀頃
ライオングリフィン
  奉納金板
ライオングリフィン
前4世紀頃
銀製鍍金
人物装飾杯
人物装飾杯
前4世紀頃
銀製貼金

開館5周年記念・北館
夏の企画展
7月20日(土・休)〜8月18日(日)
中国・六朝時代の作品の中から一部を北館の2室に展示、菩薩立像や仏三尊像、三足烏文裂、唐の銀器などがお目見えします。また、日本美術は桃山時代までの壷、甕を中心にした古陶と夏の取り合わせの茶道具を展示、そして仏教工芸や陶磁といった朝鮮美術も展示します。
三足烏文裂
三足烏文裂
中国 元時代 13〜14世紀
秋季 11/12〜12/15展示
開館5周年記念展  
−中国・朝鮮・日本−  
9月1日(日)〜12月15日(日) 焔摩天像
この秋の北館は、これまで開催したグランドオープン展、1周年記念展、春の玉手箱展の中から優品を選んで日本美術を、また中国六朝・唐時代の美術や朝鮮美術も含めて展示します。日本美術は、焔摩天像、地蔵菩薩立像、紫紙金字経、耀変天目茶碗といった重要文化財をはじめ、仏教美術、やまと絵、書、茶の湯、琳派などの桃山から江戸にかけての絵画、陶磁器で構成されます。
彩色桧扇 彩色桧扇
室町時代 14〜15世紀
秋季 10/22〜12/15展示
焔摩天像 (重要文化財)
平安時代後期 12世紀
秋季 11/1〜11/10展示

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