鶴亀図黒茶碗 美し 乾山 四季彩菜 図録解説
 No.65立鶴図黒茶碗と同じ深筒の黒茶碗ですが、ほぼ寸胴形で口縁を抱え込んだ口造りとなっています。高台内は削り出して兜巾高台となし、畳付に目跡が三ケ所残っています。釉調には光沢があり、見込みに茶溜りはありません。外側には片脚を上げた立鶴を掻き落して描き出し、その下にこれも掻き落して設けた長方円内に横書きの乾山銘を銹絵で記しています。そして、その真反対の見込み内にゆっくりと歩む亀を小さく掻き落しで描いています。茶を飲み干していくに従って、見込みの奥底からかわいらしい亀が姿を現す、そんな意表を突く趣向になっています。

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