蟹蛙図 与謝蕪村、円山応挙合筆 若冲と蕪村 図録解説
 円山応挙が蟹を、蕪村が蛙を描いている。大きな蟹ははさみのついた親爪を挙げ、広げた左足は動きを見せて、横歩きをしている様を実に生き生きと描き出している。甲羅の上部にはかすれた筆の線で毛を表し、丸い両目がやや斜め向きに点じられ、細部まで写実的である。一方、三角形に並んだ三匹の小さな蛙は皆こちらに背を向け、両足をたたんだ体勢でぴょんと跳ぶ。蕪村らしい軽やかさがある。応挙と蕪村の合作は他に、「己か身の」自画賛(作品6)、「ちいもはゝも」画賛(作品5)などが知られている。
 右端には「応挙」の署名に「応挙之印」(白文方印)、左端には「蕪村写意」の署名に「?墨生痕」(白文方印)が捺される。

関連美術品
蟹蛙図(円山応挙・与謝蕪村合筆)