奈良時代 八世紀
球形水晶玉 二点 径四・〇、一・四
半球形水晶玉 八点 径一・三−二・一
緑ガラス丸玉 径一・七
ガラス小玉破片 琥珀玉片 真珠片
奈良・東大寺蔵

不空羂索観音像の宝冠は、銀製鍍金の板を透かし彫りにした本体を、二万数千個にも及ぶ宝玉類で飾った豪華な冠である。正面中央には銀製如来像が立ち、針金による長大な頭光が表現されている。冠頂上には金属板と水晶玉で火炎宝珠を表現、両サイドには鏡を装着し、四方八方に広がる光を象徴するデザインとなっている。宝玉ビーズを連ねた綱を何本も縒り合せて冠を縁取り、あるいは勾玉を吊るしている。
展示品は、不空羂索観音像宝冠から長い年月の間に落下した宝玉類である。残念ながら割れているものが多いが、ガラスには緑、黄、黒、褐色、紺、水色などの各色が見られる。

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東大寺 不空検羂索観音像宝冠残欠