青釉金彩堆文細頸瓶
イラン 1173−86年頃
高29.8cm
MIHO MUSEUM
胴部がまるく膨らんだ細頸の瓶で、口縁近くに円形の突き出しが巡っている。全体に青釉が掛けられ、口縁部のすぐ内側や高台の中も、青釉で覆われている。立体的な文様部分は金箔を貼り付け、赤で縁取りがなされている。文様は、繰り返される同一文の形がそれぞれ違っているので、土を貼り付けた後に成形したと考えられる。文様は、円形の突き出し部分の上面に円形の葉、裏側には菱形の装飾、細頸の部分には、上下に渦巻きを配し、間にはアラベスク文を描く。胴部は上から人面鳥、羽の生えた向かい合うスフィンクスと玉座、金彩で覆われた文字文帯を挟んで下に、正面向きのスフィンクスが、アラベスク文の中に配されている。中央の文字は献呈の辞が書かれている。読みは「“支配者であり博学にして公正、強力な国家と宗教の支えであり、イスラームと信仰者たちの守り手(?)、世界の君主、東方の王、アブー バクル トゥガーンシャー イブン アル ムアイヤッド、勝利者(?)”の注文による。」と書かれているとのことだが、メトロポリタン美術館のステファノ・カルボーニ氏は、細部の確認が必要と述べている。(注)
注:ANCIENT ART FROM THE SHUMEI FAMILY COLLECTION, The Metropolitan Museum of Art, New York 1996, p.160, note 2
|