前2世紀
貼金銀
高1.7 cm 径11.1 cm
この皿の底面は平たくなっており、縁が外側に広がっている。底面の中央にはギリシャ神話に登場する海の怪物ケトスが打ち出しの浮彫で表されている。頭部は犬のように鼻先が尖り耳を立てている。背中にはぎざぎざの魚の背鰭をつけ、その尾は巻き上がって末端に三日月形の鰭がついている。前脚も魚の鰭のようになっており、腹部は蛇腹様の水平な刻みが施されている。この海の怪物の様式は前5世紀頃にギリシャで確立されたものであり、同時代には外来のグリフィンの意匠もこの背鰭をつけるようになった。胸部輪郭の外側、背鰭、前脚部にわずかに貼金の跡が見られ、かつてこれは表面全体に貼金が施されていたことがわかる。
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ケートス文皿