このペルセポリスの浮彫は横向きの従者が表されており、おそらく宴会の食物を運ぶ行列の一部であったと思われる。ペルセポリスにおけるこのような隊列はしばしばペルシア人とメディア人の従者が交互に現れる構成をとっている。両者は同じ顔の特徴を有しているが、その服装で区別される。この像はフェルト製のバシュリクをかぶっていることからメディア人の召使である事が分かる。像の右腕が上方に伸ばされているのは彼らの典型的な身振りであって、食物を入れた椀の蓋が落ちないようにしているのであろう。頂部に並ぶ花弁または葉の列のモティーフと隊列の配置からこの断片は当初、ペルセポリスのダリウスT世の宮殿の南階段の東側胸壁の内側にあったのではないかと考えられる。

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メディア人従者浮彫