円山応挙は写生を重視し、清新な現実感覚を伝統的な装飾性と巧みに融合させ、平明で叙情的な新しい様式を確立して円山派の祖となった画家である。この作品は画面の右側に空間をたっぷりとることで、自然の雄大な広がりを示唆し、応挙の眼にとらえられた自然美の瑞々しさが、ある種の心象風景にまで高められている観がある。原家伝来。

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虹図(円山応挙筆)