華鬘とは仏具の一種であり、花輪を意味する。本来は生花を糸でつなぎ、環にして中央で結んだ装飾具である。その後、永続性のない生花に代わって銅、木、皮等を用いてそれを模し仏前に供えた。この華鬘は牛皮を成形して彩色を施してある。宝相華唐草を地文とし中央に総角を置いて左右に迦陵頻伽を対比させた意匠となっている。人頭鳥身の姿をした迦陵頻伽は、華鬘や浄土曼荼羅にしばしば表される。

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牛皮華鬘