道隆、頓首上復、結夏在迩、尚未造
丈室拝謁、即非懈怠之咎、輒有少塞、
久不奉教益、卑意欲以来十一日、潜屈
象馭、俯為
光臨、就以楼上麁饌、祗迎併叙
濶別之懐、幸勿以它辞相拒、即為
万感、恃以隣峰之故、更不具候、伏丐
慈恕、弗虔、
四月九日 建寧寺比丘道隆頓首
東福堂頭大和尚
道隆、頓首上復、結夏迩きに在り。尚未だ
丈室に造りて拝謁せず。即ち懈怠の咎に非ず。
輒ち少しく塞がること有り。久しく教益を奉
ぜず。卑意来る十一日を以って、潜かに象馭
を屈せんと欲す。俯して光臨を為さんことを。
就いて以って楼上に麁饌し、祗んで迎へ、併
せて濶別の懐を叙せん。幸に它辞を以って相
ひ拒ばむこと勿んば、即ち万感と為さん。恃
むに隣峰の故を以って、更に具さに候せず。
伏して慈恕を丐ふ。弗虔。
四月九日 建寧寺比丘道隆頓首
東福堂頭大和尚
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