複雑な細部装飾と鮮やかな色彩を好んで使うのは、アケメネス期のある特定の様式の装身具に典型的に見られる特徴である。この時代には、重量感があり、全体が金だけで作られた装身具もあるが、凝った装飾が施された華麗な装身具の例も多く知られている。後者においては、エジプトに由来すると思われるがメソポタミアでも人気のあった色使い法と象嵌技法が取り入れられた。ここに示した作品は、これらの2つの様式の要素を少しずつ統合させたものである。動物の頭の形をした先端部装飾も、アケメネス期の装身具によくみられる特徴である。この腕輪に使われている家鴨の像は、前2千年紀以降、エジプトとレヴァノン地方で人気があった。

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鴨装飾ブレスレット