このトルクの首飾部分には四層に分かれた象嵌の装飾がなされていますが、この貴石、準貴石の象嵌意匠及び技法はスサの墓地アクロポールから出土した宝飾品と大変近く、おそらく紀元前4世紀頃の同系の工房で作られたものと思われます。

ペンダント部分の下の段には戦闘の場面が描かれていますが、メディア人と思われる騎兵が、おそらく中央アジアのサカの一族と思われる騎兵を攻撃し、サカが敗走している場面であると考えられます。

上の段には二対の交差する翼をつけた、いわゆるアフラ・マズダとされる形象がおかれ、その両脇に家鴨型の鳥がよりそっています。
秀明トルク部分
古代オリエント地図 Map of Ancient Orient

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ペンダント付トルク