このトルクに見られる様々な色彩の石やそれを模したガラスの象嵌は、西アジアでは古くから護符として使われ各々の石には各々の護符としての効用が考えられていました。

このトルクには金の台座にこれらの煌びやかな象嵌がなされ、首輪の部分とペンダントの周りにかけて守護と幸運及び栄達を司るフワルナァを囲むメダイオンが連続して使用されています。

加えて胸の位置に魔除けの意味を強く持った図像(二対翼の精霊及びそれに寄り添う水鳥)を含むペンダントがついています。

このトルクは、古くからの古代オリエント文化の土壌に育まれた象徴性をふまえつつ、
ペルシャ文化の上で「魔除け」とすぐれて「めでたい」意味合いを込めて作られた、 「お守り」的性格の強いものであったことが分かります。
秀明トルク部分
ウラルトゥ扇型馬具
アプカル護符/大英博物館

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ペンダント付トルク