興味深いことに、このトルクのペンダントの裏側にギリシャ文字が刻まれていることが最近の調査で判明しました。
これは全体の重さを記したものと思われますが、ギリシャ文化圏の重量単位で表現してあり、その書体から後世につけられたものであると考えられます。
しかもこのトルクの裏側には布地の密着していた痕跡も見られます。
あるいはこのトルクはアレクサンダーの時代に接収され、続くヘレニズムの時代にギリシャ系の人物の墓に副葬された、時代と民族、文化圏を越えて愛でられた古代の至宝であったのかもしれません。
この広範な時代地域の要素を含んだアケメネス朝ペルシャの美術はもじどおりギリシャ・地中海地域をも含めた西アジア古代美術を総合し完成したもので、それはまさにそのアケメネス朝ペルシャ帝国の形をあらわしていると言えるでしょう。
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ペンダント付トルク