一般には墨筆で紙や絹に書いた筆跡のことをいいますが、特に日本では禅僧の書跡を指していいます。村田珠光が大徳寺の一休宗純に参禅して、印可の証明として授けられた圜悟克勤(えんごこくごん)の墨蹟を茶席に掛けて茶禅一味の境地を味わったのがはじまりで、以来宋元の禅僧の墨蹟が尊ばれるようになりました。千利休の頃からはさらに日本の臨済禅僧(虎関師錬など)の墨蹟も珍重され、特に大徳寺派の墨蹟(沢庵宗彭など)が重んじられました。

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