ここに表現されている獅子の意匠は現実味からは程遠く、この作品が獅子の生息地域とは異なった由来のものであることを示しています。
ユーフラテス川中流域ではライオンの分布が見られ、アッシリアの時代には盛んにライオン狩が行われましたが、南メソポタミアにはライオンについての言及が少なく、分布は比較的少なかったと考えられます。
東イランの場合はその図像は大変様式化していることから実際的な分布は少なかったものと想像されています。
・Jeremy Black and Anthony Green/ Gods, Demons and Symbols of Ancient
Mesopotamia/ 1992 Austin
・Ancient Art from the Shumei Family Collection/ 1996 New York
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獅子文様壺