この優雅に伸びる長い頸を持った瓶は、型押しで浮彫状に装飾モティーフを表し、トルコ青の釉薬を掛け、盛り上がった部分に金彩を施したペルシャ陶器のなかでも最も華やかな作品の一つである。細頸瓶にこの種の装飾技法を適用した例は殆ど見られない。セルジューク朝時代にペルシャ陶器は飛躍的発展をとげたが、中国の白磁を模して石英の粉末を粘土に混ぜた新しい胎土を使用し、器壁を薄くして透明性を出すことが出来るようになったからである。とりわけ金属細工風の半球形に金箔を貼り付けるなどの技法は、銀象嵌の真鍮製容器や燭台をモデルにしているのは明らかである。陶器には珍しく胴部の上方に浮き出した銘文が見られ、それによればこの瓶はイラン北東部のニシャプールの首長のためにホラズムシャー時代に制作された物である。

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