このリュトンは湾曲する角をつけ耳が直立するライオン様の猛獣といった空想の合成獣をその前半部につけているが、おそらく羽を省略したライオングリフィンを表現したものであろう。その額には精緻な円形の貴石の象嵌がなされているが、これが仏教の白毫にもながるウルナを意味するものであるとしたら、それはこの器の東方起源を物語るものであろう。 関連美術品 ライオン・グリフィン形リュトン