平等院鳳凰堂阿弥陀如来の飛天光背に見られるごとく、仏師定朝以後、この形式の光背に見られる菩薩はすべて奏楽ないし供養の姿勢をとり、雲上に坐している。本像は雲に乗らず、飛行のポーズをとっていることから、これとは異なり、奈良朝以来の古い形式を伝えているものと推定される。大振りの目鼻立ちや大柄な体躯なども極めて古様であり、11世紀に遡る作と考えられる。

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飛天