観音菩薩
サンスクリット語のアバロキティーシュバラ(Avalokitesvara)の漢訳。 ふるくは観音または観世音、光世音などと訳されたが、玄奘三蔵による新訳では観自在、観世自在と訳される。別名救世菩薩、施無畏者、蓮華手菩薩など。
観世音とは世間の衆生がすくいを求めているのを聞くと、ただちに救済するという意味。観自在とは一切の諸法の観察と同様に衆生の救済も自在であるという意味。
救いを求める者の求めに応じて、大慈悲を行ずるから、千変万化の相となる、という。
南方インドのマラーバル地方にあるという摩頼耶(Malaya)山中の補陀落(Potalaka)に住むという。中国では 江省の舟山列島の普陀山普済寺、わが国では熊野の那智山をこれに充てる。
中村 元 「仏教語大辞典」東京書籍より
関連美術品
菩薩形坐像